まだ幼い私の足元に 小さなヤドカリ くすぐったい 洗い立てのスカート やさしいまなざしの母が 揺らして じゃれつく私 こっちへおいでと 大きな手の平に 抱き上げられてみる海 白い鳥が羽ばたき 水平線へ溶けていく 沖へ向かう船の汽笛 父はハミングでなぞる mmm 砂浜の足跡 風にさらわれぬようじっと 立ち尽くしてた 振り返ればもう 誰もいない岸辺に畝る 遠い昔の波 見えないあなたの声がする すぐ側で確かに 絶え間なく聴こえる 潮の音に耳を澄ませば あの頃見ていた景色は あなたにはどう映る? こっちへおいでと 私は小さな手をひく