蒸し暑い夏の退屈を 苦いビールで紛らわして カーテンが風に揺れるだけ 何もない静かな夜さ いつの間に通り過ぎていた青春が 燃えるよう 音もない微かな願いよ 蒸し暑い夏の侘しさを 苦いビールで紛らわして ため息混じりベランダで 白く煙に巻く夜さ 浮き沈み 繰り返して来た毎日も 泡のよう 波を待つ恋の儚さよ 風になったような 羽広げたような 確かそんなまぼろし 手繰り寄せたんだ 夢が覚めたなら 見慣れた天井が 僕を裸のままで 閉じ込めた 風になれた日も 空泳いだ日も ずっとずっと 遠くのまぼろしみたいだ 熱が冷めてゆく 夜と溶けてゆく 僕の体かかえて 連れて行くんだ 風になったような 泡沫の夢さ