誰かが死んだ 知らない人達が笑った 「死んでせいせいした」 と吐き捨てた 誰かが死んだ 悲劇的な雑誌が笑った おごそかな誌面で、 「ネタが尽きそうだ」と嘲った 今日も立ち合った 死にましたなんて告げたくない、 告げたくないのに、 なぜ死んだんだ? 命だけ浮いたまま、 彼はまた世間に殺されていく 今日も立ち合って、 私は今日も飯を食べる 立ち寄ったその日のラーメン屋は とても肉の味がしたけど、 とても美味しかったんだ 私は、おいしかった それが幸せだったんだ 横たわったその身体のしかんを見た 気がして、 私はその部屋を後にした