灰はそっと降り積む 誰の上にも等しく 眠るように息絶えた 埋もれてゆく数多の亡骸 朽ちる身体が遺した 意識だけが今もなお漂う 壊れた街と 錆びた鉄と 伸びた影の中で 掠れて消えていく記憶 痛みすらも思い出せない 止まった時を 覚めない夢を ずっと彷徨い続ける そこにいることさえ 誰も知らないまま 言葉が途絶えた街頭に ノイズだけが鳴り止まない 滅びた都市と 浴びた灰と 凪いだ風の中で 滲んで溶けていく名前 望みすらももう何もない 燻んだ空を 霞んだ塔を じっと眺め続ける ここにいる訳さえ 何も知らないまま