影は形に従い 響きは音に応じる 居ることが もたらす意味 一度消えたら 一度焼けたら そこには無い… 「…なあ」 「ん?」 「歴史から消されるって、 どんな気分なんだ?」 「別にどうってことはねぇよ」 「…本当にそうか?」 影は形に従い 響きは音に応じるんだろ? 居ることが 意味もたらすなら たとえ消されても たとえ焼けても 変わらない 「俺がこの世に存在したことは確か だからな」 「全ての人に忘れられてもか?」 「…なんでそんなこと聞くんだよ」 「…なんとなくな」 「…だったらお前が覚えてろ」 「…え?」 「俺もお前のこと、 覚えててやっから」 「…」 たとえ消されても たとえ焼けても 覚えている