風鈴が心を洗う "あの日みたいね"と言葉を添えて 伸び切った二人の背丈 夏が過ぎてゆくほのかな香り 振り返る余裕ならない やけに滲んだ右袖逸らし 爪跡はあなたに残る 綻んだ思いを刻んだまま 帰りのタクシーはまるで あなたを遠ざけてゆく 行かないで行かないで 淡い期待だけを 空に描いてる夏の蜃気楼 行かないで行かないで どこにも行かないで あなたに会えるそれだけでいい 届かないほのかな思いは 暑さに紛れて溶けてゆく いつまでも同じ一日が 巡る訳もなく同じ距離のまま 壁掛けのカレンダーはまるで あなたを忘れさせる 消えないで消えないで これまでの気持ちまで ガラス越し映る花火が連れてゆく 消えないで消えないで どこかへ消えないで あなたに会えるそれだけでいい 行かないで行かないで 淡い期待だけを 空に描いてる夏の蜃気楼 行かないで行かないで どこにも行かないで あなたに会えるそれだけでいい あなたに会えるそれだけでいい