大地を駆け抜ける風に 黄金の穂波がうねる 幾千も費やした人々の祈りを 確かめている 遥かなる時を超えてく思いが 降り止まぬ雨に耐えうる強さが やがて愛するものの すべてに注がれていけばいい ちぎれてはぐれてく雲が 鏡の水面を横切る 自らを疑わず 羽ばたく旅鳥は 最果ての地へ もし今私が風になれたなら 険しい山の頂を越えたら やがて愛する 人のもとに何を届けるのでしょう それは愛する 人のそばで 寄り添っているのでしょう 流れ落ちる涙の果てに 寝静まる冬枯れの季節に 見放された荒野の先に 人は何を見つめるのだろう どこかで続く悲しみが 落日を赤く染めてく 震える命がただ 望むのは安らかな母の胸 知らぬ間に夜の闇が包んでも たとえ言葉を失ったとしても あなたが見える ただひとつの光であればいい あなたが触れる ただひとつの安らぎであればいい やがてあなたの心の中に 注がれていけばいい