何も言わないのは 不満がないわけじゃないから 胸の奥に詰めた言葉を 投げつけてしまいたい きっと 心臓はピーマン 張り裂けそうに詰まった 悔しさと諦めのひき肉のタネ 焼いて 焦げつくまで焼いて 「うっかりしてたわ」なんて 笑いながらゴミ箱に捨てるの きっといけないのは 言えない私もおんなじ それができたなら こんなに苦しんでないけどね どうして 心臓がピーマン 張り裂けてしまったんだ 苦しさと自己否定の肉汁 泣いて 一人きりで泣いて ペーパーで拭っておこう 夜が明けたら何もなかったように 今日も 心臓はピーマン 張り裂けそうで困った 腕のいいシェフが現れなくて なんて 見習いの私の頑なな青いピーマン 人知れず今日も闘ってるの