道端に芽吹く新緑が 葉を閉じて訪る夕暮れ 一つ二つ灯、燈り 薪の燃える薫りがした この町に別れを告げた あの日からどれだけ過ぎたろう “少しだけど顔を上げて” 歩いてみる暗い道を いつも何処かでつかえていて 何かを怖れていて そうね胸の奥で呼んだ故郷を 皆、迷いの中で光を探し歩き疲れて 不意に全てが嫌になってしまい 立ち止まる そして帰る場所を求めるのだと 誰かが言った そんな気がして見上げるのは 都会の夜空 静けさの中で佇んだ 思い出す沢山の日々も 今になって振り返れば 欠かすことの出来ない過去 二度と帰らないと誓った あの日からどれだけ過ぎたろう いつの間にか歳をとって 零れ落ちた 「ごめんなさい」 いつも遠くで聴こえていた 日暮れの鐘の音だ やっと口に出して言えた 「ありがとう」 皆、迷いの中で光を探し歩き疲れて 不意に全てが嫌になってしまい 立ち止まる そして帰る場所を求めるのだと 誰かが言った そんな気がして見上げる空の彼方 “きっと明日は来る”と、 “未来は在る”と信じてみよう 例え小さな歩幅でさえ確実に進む そしていつの日にか胸を張って 誰かの為に 両手広げて迎えるのさ 「おかえりなさい」