痛いこと忘れて、 零したあの青い言葉。 遠い春の終わり。 夕暮れの街は、 今日の罪を知らないように、 終わりの鐘を鳴らすんだ。 <♪> 路地裏、笑い声。窓の向こう、 嬉しそうな家族の風景。 胸が苦しくて見上げた先。 はじめての星が輝いていた。 僕はひとり常夜灯に照らされて、 明日を待って、秒針に急かされて、 気付けば何も残らない 今日を悔やんでは放り出して、 いつも残るのは、 変われない僕の方だ。 愛に怯えて、離れた町。 風はまだ暑い。 夏の終わり。 積み上げた荷物、 笑い合えた日の記憶、 置き去りで歩く。 先は見えないけど。 君が居ないけど。 <♪> 遠回り ブランコ公園 水飲み場 消えゆく命 市民ホール ピアノの音 君が儚く笑うんだ 重なり合う景色達が啄んでゆく、 僕の形を。 ありふれた声は要らない。 僕は要らない <♪> 腫れた目こすって約束した、 また会うこと。 辛い秋の終わり。 「大丈夫、君なら。笑っていて。」 と胸の中絶えず響く。 今もほら。 転んだって前だけを向いて、 みっともなくても気にしないで、 言いたいな、言いたいな。 「ずっと一緒に居てよ。」 僕にだって意味があるように、 誰にだって意味があるから。 聞きたいな。聞きたいな。 明日に繋がる声を。 いつか今日を思い出すときに、 君の笑顔が消えないように。 いつか僕が居なくなる前に、 君との日々が消えないように、 これを残すよ。 <♪> あいも変わらず、足跡ひとつ。 道の途中。寒い冬の終わり。 夕暮れの街が、 少しだけ優しく見えた。 そんな日の話。