故郷(ふるさと)へ帰るのは もうどれくらいぶりだろう いつの間にか 父親の白髪(しらが)が増えていた 高校を卒業して勝手な夢 追いかけた 僕には自慢できるような 土産話がない そのままにしてくれてた 西陽が差す僕の部屋 窓を開け 風を入れ替えてたら ふと誰か会いたくて… 路面電車がガタゴトと 走って行く街は 今も君が歩いてるような そんな気がしてしまう 通り過ぎる窓の景色は あの頃と変わったけど そう僕たちがいつも待ち合わせた 懐かしい思い出はここだ どんな顔をすればいい 決まり悪い僕なのに まるで何もなかったように 狭い路地は続く 区画整理されるって 言われてた商店街 シャッターがいくつか降りてたけど あの店はまだあった 路面電車の警笛が聴こえて来る街は 君を乗せて自転車を漕いだ あの夏の日のままだ 緩いカーブ曲がる手前で 信号を待つ間に もう僕たちは別々の人生 歩いてる現実を思う なんで こんなにやさしいのだろう 一度は背中向けた街のあの夕焼けが 何も言わずに包んでくれた ああ… 路面電車は今日もまた街の中を走り 人の想い運び続けてる日常的な風景 そして 路面電車がガタゴトと 走って行く街は 今も君が歩いてるような そんな気がしてしまう 通り過ぎる窓の景色は あの頃と変わったけど そう僕たちがいつも待ち合わせた 懐かしい思い出はここだ そう僕の故郷(ふるさと)はここだ