ぬるい風を吸い込んで 痛みと共に見る 晴れ渡る空 美しい君は微笑んだ 空回り 僕はいい加減だ 懐かしい 夜に吹いた風は 名の知らぬ花の香りがした 美しい君は嘘ばかりだ 苦笑い 僕もいい加減だ ほの甘い 煙に溶ける感情に 交わらぬ白菊の香り 夏空のうつろよりも つまらない 些細な反抗繰り返し 傷つけ傷つけられ それで僕はやってきた 尖らせた爪振りかざし 一人きり 足掻いて藻掻いて 君がいてくれたから この世界を生きてきた 不条理に爪を立てながら 美しい君は嫌な奴だ 下らない茶番劇はうんざりだ 蒸し暑い風に溶ける絶望は 日に灼けた泥の香り 夏空の向こうにさえ 届かない 脆弱な切望繰り返し 傷つけ傷つけられ だけど君が手を握るから 散らばった夢寄せ集め 握り返す 引き裂いて切り裂いて 僕にできるものなら この現実を進み行く 斜陽に背を向けて 空に穴が開く 赤く染まる真珠 深く大きな河に流れ行く 僕たちの他愛無い夏 白い頬に手を触れた あの日の僕は今もそのまま 目映い魂滾らせて この世界を生きてきたんだ 傷つけ傷つけられ それで僕はやってきた 尖らせた爪振りかざし 夏を走る 嘘つき いじわる そんな君のわがまま聴いてやるのさ 風が強くなった