朝 目が覚めたとき 今 しにたいと思った 君が寝息を立てる隣で 今 しにたいと思った 朝 目が覚めたとき 今 私が消えたら 君の記憶のその中で永遠に 生きられると思った 君の中で美しいまま逝きたい 君の中で美しいまま生きたい 朝 目が覚めたとき 今 しにたいと呟いた 君が寝息を立てるのをやめ 薄く目を開けた 朝 目が覚めたとき 今 私が消えたら 君の記憶のその中で永遠に 愛されるでしょう 君の隣で廃れてくのが怖い 君の隣で更けていくのが怖い 君が寝ぼけた声で話す 「時の流れは平等さ 君が老けたら僕もジジイさ ババアの君も可愛いだろな」 何故こんな簡単なこと 気付かなかったのだろうな 私が老けたら君もジジイさ ジジイの君も可愛いだろうな 年相応に生きろとか 良い歳して何してるとか くだらないこと言わない ジジイとババアになろうな 君が寝ぼけた声で話す 「時の流れは平等さ 君が老けたら僕もジジイさ ババアの君も可愛いだろな」 何故こんな簡単なこと 気付かなかったのだろうな 私が老けたら君もジジイさ ジジイの君も可愛いだろうな 一緒に歳を取っていこう 共に朽ち果ててしまおう 酷い嘘も弱い過去も 枯れていくのを二人で待とう 君に白髪が生えてきたら 私が染めてあげる この手を黒く汚しながら 君の髪を撫でる ずっと ずっと ずっと ずっと