坂道を転がり落ちるボールのように 望まない引力に 引っ張られて行く それでもざわめきの中でこの声が 届くようにと抗い続けていた きっと いつか あの街の片隅に居る もう一人の俺みたいな奴に きっと いつか 届くといいな なんてさー 思い上がりもいいところだけれど 歌っている もう一人の俺は運命のように 煌びやかなライトの中で照らされて 少しはにかみながら 訳もわからずに 見知らぬ世界の歌を歌っている きっと いつも 一人の夜 膝を抱え 君はずっと俺を呼んでいる きっと いつも 誰とも違う なんてさー 思い上がりもいいところだけれど 歌っている 降り注ぐのは氷の雨だ 降り注ぐのは氷の礫のように あいつを讃える歌が聞こえたら 嬉しいのに 何故か寂しい きっと いつも 忘れたくないんだ 噛み締めていた孤独を乗り越えて きっと いつか 二人で笑い合う なんてさー 思い上がりもいいところだけれど 信じている