跡切れたムーヴィに口笛の雨さ レイト・ショーだけかかる 避暑地の名画座 二十歳だった君を あいつと競いあって 最後の夏の日が過ぎた…… 心にニ度ともう誰も座れぬ 空っぽの席がひとつあるね 夏の波が引いてゆくよ 濡れた砂に並ぶ 三人の影を哀しく灼きつけたままで <♪> あいつを見送った夏の臨時駅で 君はうつむいて手を差し出したね 青い草熱が線路を伝わって あの午后から吹いてくるよ 僕らは何を失くしたの…… 映らぬ銀幕を見つめつぶやいたよ 君はあの日泣いていたの ずっと訊けなかった 舵の折れたボートが 漂うこの胸が痛い <♪> 違った未来が待ってた 岸辺を選びたかったの……? ねえ本当は 夏の波が引いてゆくよ 濡れた砂に並ぶ 三人の影を哀しく灼きつけたままで 僕たちがほら 置き去りにした 光と影が 重なりながら 空白という 未来のフレーム 哀しみで埋める Memory Flickers Memory Flickers…… <♪>