私の上に降る夜は明けないで終わる 私の上に降る夜は まださめないように ふたつの小さな海をこぼしました 映るものは歪んで床に落ちました 冷えた踵が痛くて逃げ出しました けれども終わりは 遠のいていきました 思い出し癖に怯えている そんな毎日が くだらなさすぎて笑えないな 私の上に降る夜は明けないで変わる 私の上に降る夜はただ微熱のように ふたつの目に映した世界が 増えました 心と形の両方が見えました 「期待しないでいられるなら これ以上傷を増やさずにすむよ」 わかってんだ 私の上に降る夜は明けないで変わる ぶつかりながら少しずつ ひび割れたり欠けたり 減らし合い続けても あわい期待 まだみたい 私の上に降る夜は明けないで終わる 私の上に降る夜は まださめないように