世界の誰もが笑う。 武器を捨て、争いがなくなる。 生まれや血に縛られない。 そんな魔法を、私は知っている。 ――ガーデンで 兎と お茶会―― ――呪文で 仕立てた ドレス―― 童話の世界は、魔法で満ちている。 不思議な物語を描いたはずなのに、 現実は童話より不思議だらけだ。 もしも世界が 離ればなれに分かれたら、 二度と会えないんだよ。 まさかそんな未来が 来るはずないよと、 あの日まだ君は知らずに笑えた。 あの国と分かりあえる。 災いに怯えずに暮らせる。 恐ろしい病が消え失せる。 そんな魔法を、私は使える。 ――絨毯で 星空の シュプール―― ――キスで 目覚める プリンセス― 童話の世界は、魔法で輝いている。 残酷な教訓さえ描いてあげたのに、 現実は童話より残酷だ。 いつか世界が あの日のように戻るなら、 ここでまた会おうよ。 こんな運命に魔法をかけて、 大声で笑って、 歌える日が来ますように。 そして私は絵空事と笑われても、 まだ童話をかたるよ。 創造すること、それこそが魔法。 さぁ描いて、歌って、奏でよう。 世界を。