隠せない傷を覆うほどに 騙して重ねた嘘を暴いてくれ 追い立てる様に鳴り響いた ベルの音に 耳を塞いでうずくまった 揺れて溢れて 片道切符を濡らした水に 燻んだ青い星空が映った 夜を行く機関車が白く尾を引いてる どこへも行けないんだ どれも夢の様に忘れてゆくのなら 嗚呼 形など残らないほど 全部壊してくれ 何遍も失った同じ様な記憶の中で 知らず知らずに自分のことも 欺いてしまうのならば 倒して落とした ヒビ割れた砂時計から 止まった時間が溢れ出した 消えようとして 点滅する常夜灯が 仮初の永遠を照らした 深く沈む夜の闇に 乾いた風の音が鳴る 終わりのない逃避行は どこまで続いてる? 誰も逃げられないんだ いつか燃えるこの火が 消えてしまうなら 嗚呼 初めから灰も 残らないほどに焦がしてくれ 何回も繰り返す 同じことの忘却の中で 身体の輪郭までぼやけてゆく前に 揺れる風に滲んだ喧騒を見下ろして 煌めくネオンの街の中に伸びてゆく 影 落ちる月を背にここを逃げ出して 二度と明けない夜をどこかに探し 続けているんだ 掠れた文字をなぞる度に 割れたインクがこの指を掴んだ 照らした薄明に浮かべた 消えた言葉を 忘れないさ どれも 例え形を無くしたとしても そう 張り付いたどんな痛みだって 背負って行くんだ 未完成に逃げれば 醜く形を変えてしまうから 少しだけ 身体をここに置いたままで 夜明けを纏う