明かりをつけましょ 一夜限りの 燭台 此処は 滅びの都 あたしは 君の女王 薄汚れた 染みを隠す 夜が 扉叩く 先触れの 麝香 指伸ばして 絡め取り 企む 躾けられた ほら 蜘蛛のように糸を 夜具の網で 踊れMACABRE 鎧の天鵞絨 冠の鬘 交わした恋文は 前戯の屑籠 甘い毒杯を 舌を重ねて 受け取る 今宵 諸人こぞれ あたしへ 脚をひらいて 明かりをつけましょ 一夜限りの 燭台 此処は 滅びの都 あたしは 淫ら女王 こぼす汗は 燃え細るあたしだ 時計仕掛け ほら 偽りの 愛お しいふりをして 数えた銀貨 虚ろの館 華やぐ紅灯り あたしは 独り 世界を 見下ろす 七つ首もたげ 神に 唾吐く 獣 殺し 君と朝寝をしてみる? 出来る筈もない 緋赤い獣に 乗らばあたしは憎まれ やがて 肉を喰らわれ 裸身で 焼かれて往生 氷獄の下に 埋めた言葉 神様どうか 神様どうか あたしはバカで 与えて求めた 浅い寝息抱き 艷な爪で 引き裂く 今宵 諸人こぞれ あたしへ どうでもいいじゃない? 二人は 溶け落ち くゆる煙は 散じる 此処は 滅びの都 あたしは 狂うのだろう 甘い毒杯は 滴るままに 感じて 今宵 諸人こぞれ あたしへ まだ行かないわ 明かりをつけましょ 一夜限りの燭台 此処は 滅びの都 あたしは 罪の 女王