捨てられた子猫のように うすぐらい部屋のかたすみ うずくまって一晩 雨の音をきいていました あの人はもどらないよと つぶやいた柱時計 わかってるそんなこと ただここにいたいだけだわ 愛されていたわけじゃない 私一人の想いだった それでもあなたのにおいの残る この部屋で 捨てられた子猫のように 自分の傷を なめながら 眠りたいの 眠りたいの ねえ つつんでいて 思い出 あの時もこんな雨の日 旅行カバンひとつさげて この部屋のドアをたたいた私 なにもかも捨てて来た 愛してなんて言いません 置いてくれればいいんですと 泣いた私を抱き寄せて あなた髪をなでてくれたわ いつかは去って行く人だと はじめからわかっていたけど ひとりは寒いわ 砕けた夢のかけらたち 捨てられた子猫のように ぼんやりと 何もできずに 待ちわびて 待ちわびて また きょうも 夜があけるわ 待ちわびて 待ちわびて また きょうも 夜があけるわ