Track by楠瀬 誠志郎
泳ぐには早い まだ初夏の香りが 駆けてゆく犬は 飼い主をさがして おぼれかけたふり 僕を笑う君のいたずら よぎるよ ああベンチには 恋の本 風がめくって 砂にのこした足跡さえ 波が消してゆくだけ 今ごろはみんな 仕事もう終って こみだした駅で 点になり まぎれる 濡れたシャツの君 照れてみてた僕が 目の前すぎるよ ああ書きかけた 手紙さえ砂が汚して ねえ一瞬だけ 見えたようさ 君が波間 泳ぐよ 君が波間 泳いだ