指折り数え朝を迎え あたらしくなれたの 本当に こわれたままのピアノも 倒れたままの花瓶も 汚れたままの写真も ただ取り留めなく横たわる なつかしい匂いに包まれて ついさっき見た花が何色だったかも 覚えていられないくらい みんな急いでいる 指折り数え朝を迎え 古い見慣れた身体を抱え 此処じゃない場所にきっと 綺麗に咲いてるはずと 脇目もふらず歩いていく 見よう見まねで息を切らし あたたかい日差しを浴びながら ついさっき摘んだ花を渡す 愛しい人も 思い出せないくらい どこかへ急いでいる 行き交うたくさんのひとたちが 嬉しい 楽しい 悲しい こんなに高いところにいるのに あなただけが 見つけられない なつかしい匂いに包まれて ついさっき見た花が何色だったかも あたたかい日差しを浴びながら ついさっき摘んだ花を渡す 愛しい人も 思い出せないくらい みんな急いでいる