Track byFin
八月最後のあの頃は 三十二日があるんだと 終わりが近づいてもなお 続きがあることを信じていた 街角に潜む黒い猫 帰り道にある駄菓子屋 木漏れ日の中の向日葵が 夏の夢をまだ魅せていた だからもう一度夏が終わる日まで 揺れる陽炎がたちこめている 八月の向こう側の方まで 悲しみさえも 溶かしてしまえるような そんな幻想を胸に抱いている