肌を刺すような寒さと引き換えに 繋ぐ手の温もりを教えてくれたのに 冷え切った身体と君との関係は 「降る雪のせい」 なんて馬鹿げているかもね 凍えるような季節には 慣れたはずなのに 僕の悪い癖がまた君を連れて 行ったのかな 降り積もる雪が街を染めて 悴んだ右手が君を離した 不意に合った目に映る僕が 情けなくて 今にも溢れそうで 行き交う人混み 繋がれた手 街路樹に実った光の粒が いっそ心を蝕んでくれればいいのに 一人になれなくて 10年先もきっと あるいはそれ以上 君だけの僕でいるつもりだった そうやって育てていた愛は いつか色をつけて 花開く時を待っていたのに 月明かり照らした裏路地の隅で 芽吹いたままの蕾が白に溺れている 孤独に慣れなくて もう戻せないから やがてまた雪が降り積もるのを 待っていたい 寒さで誤魔化せるから 雪が降る度に君が僕を 呼ぶ声はもう2度と聞こえてこない 寂しいはずなのに涙ももう出ないね 今日でサヨナラだから 愛を知ったのは 恋をしたのは 「降る雪のせいかな」なんて零した すれ違う時も 知らないフリをしていてね 思い出す度 雪が溶けてしまうから