旧道沿いの居酒屋を出てから僕が無口なのは 今日君を家に誘うその口実を探しているんだよ 駅まで3分ちょっと近過ぎたよな 酔っぱらった僕に君はまたねと小さく手を振った 今度は君を追いかけて もう今日はここにいなよって ちゃんと言うからまた遊びに来てよ もう終電に間に合うように送るようなヘマはしない もうしないからさ 改札入って振り返り 気を付けてねとまた君は手を振る 僕も同じ言葉を言いながら 呼び止めなきゃと心で繰り返す 各駅停車は君を連れ去ってゆく 僕の関われない毎日へとガタンゴトン 君を縛る為の名前を持たない僕の 時間は24時20分まで 階段上って見渡せばいつもの見慣れた風景で ついさっきまでこの街に君がいたのか あぁ君がいたのか 今度は君を追いかけて もう今日はここにいなよって ちゃんと言うからまた遊びに来てよ もう終電に間に合うように送るようなヘマはしない もうしないからさ 月の明かりに照らされた 黒い髪 横顔 唇を 思い出して胸が苦しくなるよ その全部が僕のものなら悲しい想いなどさせない 絶対させないのにな もう終電に間に合うように送るようなヘマはしない もうしないからさ