東京の端っこで 生まれた 8mmフィルム絶頂の 時代に 遠足はいつもそこの 山だった お弁当かき込んで 走った 父さんの流すカーステレオ 聞きながら おやつの時間のカステラを 3等分 東京の真ん中で 生まれた ポケベルが消え始めた 時代に 校庭は人工の芝生だった 給食の鯛めしが好きだった 母さんの流すアカペラを 聴きながら おやつの時間のカステラを 2等分 友達の家について行ったら 誰もいないのにあったかかった 別の子の家について行ったら そこら中に悲しみが転がっていた あの頃が恋しくて 歩いた 思い出の道は何も 言わずに 昔は花を集め 遊んだ 習い事も全部忘れ 旅した おじいさんのくれたiPodを 聴きながら 空港行きのバスの車窓 消えてゆく 夜食の時間のカステラを 1等分