何故に今脈を打ち 嗚咽を漏らす心の臓 命の産声殺めて 皆の春はうらら それでも今も脈を打ち 嗚咽に喘ぐ心の臓 「生きて」 「死んで」 「生きて」 「死んで」 繰り返すだけ… 幽(かす)かに吐いた己が音 幽(かす)かに聞いた己が音 蟲の息の唄に皆の春はうらら 生きた数だけ殺めても 数限り無く殺めても 「死んで」 「死んで」 「死んで」 「生きて」 孵化(ふか)の宵 理はその誠(せい)を 翳(かざ)せているのか 理はその聲(せい)を 叫べているのか 理はその生を果たせているのか 存在の意味を紡ぐは言の葉 「—。」 産み落とされて 這い蹲(つくば)って ずぶ濡れになる 苦渋辛酸(くじゅうしんさん)の雨 痛みに泣けよ 騒ぎ散らせよ そこに慥(たし)かな命を示せ