御伽噺から始まっている 揺れたレリーズは未だ 人差し指にかけたまま 濡れた線を追いかけて 木霊した点滅、見ていた 雨上がりに映る湖畔の情景が ただ、ただ 奇麗で 何時だって憧れて僕たちは ページをめくる夜に 手を出せば触れそうな水面、月、 息も忘れていた シャッタースピードのその先へ はんなり、はんなり、はんなり、 君は今景色の向こうへ行った 再考、滲み出づる日の出を待てば やんわり、やんわり、やんわり、 絹のような空越えて レリーズは、今 シャッタースピードのその先へ 再考、滲み出づる日の出を待てば 背景、白色のその君へ 百色、プリズムにその手かざしたら レリーズは、今 忘れられない程に 焼き付いた色 目を閉じてまた思い出して 滲む月と日の出の狭間で 衝動が踊り出して 正しさはすでに求めていない 只、指の震えを取りに来ただけ 嗚呼 三脚に架かる世界の重さをその手で 受け止めたまんま 誰かのため、答え合わせ 震えはしない、今 御伽噺から始まっている 揺れたレリーズは未だ 人差し指にかけたまま 濡れた線を追いかけて