あの日 花の名をあなたから 聞いたんだ 色も形も意味も知らなかった 二度と忘れられない花の名を 花を眺める横顔は わずか数センチの勝手と 近づけば枯れる欲望に ほんの少しの我慢を与えるのか 言えない…言いたいよ 癒えない…ここに居たいよ 伝えることも 触れることも 出来そうなのに 届きそうなのに 気づいて欲しかった雨の音 風に揺られる花を眺めて 甘い香りに包まれて 花にとまる蝶のように あなたにとまっていたい 眺めていた花は今 遥か遥か遠くに主張と 忘れられぬ名を残して ほんの少しの自由を縛っている 戻りたい…戻れないよ 何も知らないあの頃に 口ずさんだラブソング 宛はあなた 届かなかった 「もぉ1度…振り向いてなんて…」 「あなたは気づいていたのかな」 「私は気づいていたよ」 「ずっとここに居てほしいって事」 「ねぇ…行かないで」 「今更遅いよ…」 忘れられるかはわからない 何度も花を咲かせるなら それを見て思い出すだろうし 決まって探してしまうだろう でもそれは未練じゃなく 後悔で 「今ならまだ…」 「さようなら…」 気づいていたんだ私のせい 築いてしまったひとひらを 雲に梯だったんだきっと 目の前を横切る蝶が運ぶ恋心 花を飛び立つ蝶のように あなたは幸せになってね