君こそが ただひとつ 世界の真ん中でした なのにテレビは今日も 熱帯低気圧を報じる 淀みなく 続いていく どうせこの寝苦しい夜は明ける そしてまた氷菓を嚙る 誰かが内緒で火を点けた どこまでも抱えていくさ 君の細い背中を見つめていた 理由ひとつさえ必要ない 本当にそう思っていたんだ 音もなく君は変わったんだ いつかこの恋さえ 空に届いて 眩しくなるなら 痛いくらい 君を遠く遠く想うだろう まだ終わらないで 終わらないで 最後の花火は 鳴らないまま 気づきもしないうちに 君とはさよならなんだ 君だけが 明らかに 僕のすべてでした そんなことを恥ずかしげなく 腐るまで唱え どこまでも 普通の形を 探し続けていた 空に惑う羊の群れ 遠くなるまで眺めていた いつかの夢の続きを見た どこまでも続く広野で 赤い赤い花を拾い集め 痛いくらい指切りをした そして目が覚めるときまで ふたり、同じ景色の中で 僅か僕らの隙間 他愛ない距離に 燻る火の粉に 手を伸ばし ふたりそっとそっと息を吹く まだ終わらないで 終わらないで 最後の花火は 鳴らないまま 枯れ落ちたころに 誰よりも鮮烈な想いがある 何よりも透明な心を知る 僕はただ言葉に詰まる 季節が今、変わった この恋さえ 空に届いて 眩しくなるなら 痛いくらい 君を遠く遠く想うだろう まだ終わらないで 終わらないで 最後の花火は 僅か僕らの隙間 他愛ない距離に 燻る火の粉に 手を伸ばし ふたりそっとそっと息を吹く まだ終わらないで 終わらないで そう願うほど 君とはさよならなんだ もう、さよならなんだ