しゃなりしゃなりと ぼんぼりに 灯りともせば 日が暮れる すずり箱には 待ちわびた 愛しいおかたの 文ひとつ 写楽 写楽 写楽 わたしをきれいに描いておくれ お膝もとで描いておくれ 褥に焚いた お香のかおり あなたをお慕い申します 写楽 さらりさらりと 風の音 白い桔梗が なぜ愛し 髪にかざした かんざしは 女に生まれた 命です 写楽 写楽 写楽 わたしをきれいに描いておくれ しなをつけて描いておくれ 襟もとあわす 心のなかは あなたでふさがる 愛の色 写楽 とろりとろりと おぼろ月 誰が吹くのか 笛の音よ 細い指先 頬にあて 待ち人恋しい 石灯籠 写楽 写楽 写楽 わたしをきれいに描いておくれ おんなの色香描いておくれ 月夜の雲に この身も染まる 浮世に生まれた ときめきよ 写楽