月夜が嘯く 不埒なロマンス 「一人は 寂しいの…」 憂き世の罠 舞い上がって独り哀れな人魚姫 いっそ 泡のように消えることもできずに 混ざる吐息も言葉も重なる体でさえ 意味をもたない 行為(それ)はただの一人遊び まどろむ肌を刺す冷えた 夜明けの風に 夢 揺蕩う心 何度も醒める 仮初の夜 星さえ隠れる 優雅な戯れ 「教えて?深くまで…」 浮き世の嘘 ため息が落ちる 澱んだ水鏡 いっそ 花のように散ってしまえたのならば 愛に溺れては 伝う秘蜜の糸を この指に絡めては 解くだけのあやとり あなたの睦言は 遠い記憶の彼方 この一夜の契り かき消してゆく 儚い言葉 夜毎キミを探しては 千夜一夜の夢を 幾度重ねてもまだただの一人遊び 愛をなぞっても重ならない面影 愛し愛された日の欠片探して 眠れない夜