長い坂の上 もこもこ浮かんでる入道雲 聞こえているのは 少し前をゆく君の口笛 ときどき振り返る君の顔は 後ろのでかい夕焼けが隠すぜ 足掛け回りができてなんで逆上がり ができないんだい? やっぱり君は少し変わっているぜ( いぇいぇい) 「最初はパー」で勝ち取ったジュー スを君は どうしてそんなに誇らしげに飲める んだい? 荷物のなくなった 君の部屋で食べたお寿司 なぜか僕のだけ マグロが一つ分多かった わたしマグロが食べられないから わたしのマグロあなたにあげるわ 足掛け回りができてなんでうそがう まくつけないんだい? 君はいつもツナマヨばっかり選んで いるじゃないか ふすまのすき間から見えてますよ、 お母さん どうしてそんなに含み笑いしている んです? 『今年3年生になった君の弟やはり 漢字も空気も読めなくて 別れ際、 僕に何かを言おうとした君をさえぎ り、 彼がお気に入りだという遊戯王カー ドを僕にくれた。 彼はそのカードがいかに貴重かを僕 にとうとうと述べた。 そうしているうちにお父さんはエン ジンをかけてしまい、 君は小さく笑って車に乗り込んだ。 違うんだ。これじゃないんだ。 僕が最後に欲しかったのは、 少なくとも遊戯王カードじゃない。 ああ、 君はいったい何を言いかけたんだい 。ああ、君よ、 なぜ笑っているんだい……』 足掛け回りができてなんで逆上がり ができないんだい? やっぱり君は少し変わっているなあ 手元で輝く貴重なトラップカードで なんとか発動できないものか 僕のターン