三学期がこんなに 短いこと知らなかった なのにどうしよう ずっと止まったまま 動き出せずに過ぎてゆく 卒業までの一週間 あーあ… 部屋から出なきゃダメなのかな 裸足で走った真夏のグランド 教科書は焼却炉 先生知らんぷり クラス写真の右上で うつろに笑う個人写真 あーあ… このまま終わるなんて嫌だ ズタボロにされた制服脱ぎ捨て 向かおうか卒業式 僕は変わるんだ 全裸で笑顔で入場 全裸で証書をもらう ざまーみやがれPTA! クラスメイトはおびえてる 追いかけてくる担任を かわして走り壇上へ ああ快感だ!皆、僕を見ろ! 可愛いあの娘も 野球部エースも 皆僕に敵わないよ ぽんぽん すっぽんぽん 全裸で仰げば尊し 全裸で教室徘徊 今日の主役はこの僕です 校長先生倒れてる 「少し早い桜の花が咲く三月 僕たちは今日、 この学校を卒業します。 社会の窓すらないこの僕ですが、 今国際社会に 旅立とうとしているのです。 今、国際社会に 旅立とうとしているのです。 平成22年3月28日 生徒代表 すっぱだかんた」 全裸で桜の木の下 全裸であの娘に告白 まさかのOK いじめられる あなたの顔が好きだとよ (全裸もいいじゃん!) 全裸で真冬のグランド 全裸で季節を感じる こんな楽しい一日の終わりを チャイムが知らせてる 全裸で涙がこぼれる 全裸でなぜだか悲しい こんなことなら最初から 楽しむこともできたかなあ… 「これからはきっと大丈夫。 なぜかわからないけど、 そう思えます。 裸で向き合うとこの世界、 辛いことの方が多いと思います。 でも今はそれすらも 楽しみに思えます。 それでは皆さん、 ずっとずっとお元気で。 さようなら。」