薄らと春の中 風が火照りを奪っては せせらぎほどの川を越え 綿毛のよに馳せる 秘めた心の根や 笑うさま おどけた声の裏側 勿忘草の花言葉 思惑通りの今 何も覚束ないけれども 今も戻らないけれども 忘れ形見を 忘れないでいる 花ざらしの朝になったら 誰かをまた探してしまう また 希望になっていく 立ち止まったこの気持ちは 届かない手を探してしまう 誰かをまた今日も待っている 芽吹く季節の種 枯れるまで 巡る命を横目に 選り好みした繋がりを 生ける日々が続く ぽつり降り出した雨に 少しずつ育ったように 忘れた思いが花開いていく 花ざらしの朝になったら 誰かをまた探してしまう また 希望になっていく 立ち止まったこの気持ちは 思い出にただすがってしまう 誰かがまた昨日になってゆく ああ 歳をとっても 春めく足元 ひとつひとつ また風がさらう ひとひらのものがたりを残して 花ざらしの朝になったら 誰かをまた探してしまう 希望になっていく 立ち止まったこの気持ちは 届かない でも探してしまう あなたをまた今日も待っている 忘れないでいよう