それは瑪瑙の瞳 重なる気配を消して すべてが本物じゃないなら 体温がすぐに伝わってしまう 始まれば終わる その熱のようなモノだけで 繰り返し綴る本を 誰かの祈りの中で 情熱と呼ぶのだろう 湿った空に 雪が降る 雪が降って 帰る場所などない蹄の音がする ただ寄り添うだけの 静かな雪が似合う そんな朝が来るなら 月と夜の呼吸に今更恐れはしない 過ぎてみればみんな夢だと 今はまだ瞼とじる気もなくて 白一色の彼方 雪鳥の足跡だけ 言葉を残していくと 脇道を歩くものが 一生触れないものに 会える気がする 雪が降る 雪のように 尚もこの視界が 研ぎ澄まされていく 繋がりを消したら どれだけ強くあろうと そんなものは要らない 雪が降る 雪が泣けば 胸に奥深くしまわれてた鈴が わずかに震えだす この手が示すものを許そう この前夜なら 雪がふる 雪がふって 帰る場所などない蹄の音がする ただ寄り添うだけの 静かな雪が似合う そんな朝が来るなら