めまいのするような昼下がり もやもや景色を揺らしてる蜃気楼 首をもたげた扇風機に予行演習 「もう二人今日で終わりにしよう」 君が欲しがったぬいぐるみ とれなくてとぼとぼと歩いた帰り道 茜色染まる空を飛び交うカラスが 情けない僕の背中に向け声を枯らす 足したり引いたり押したり引いたり 立ち止まったり もうおかしくなってしまいそうで 嫌になって つないだ手 ぱっと開いて 離してしまったあの日 アイスキャンディー アイスキャンディーが アスファルトに滲んでは消えてくよ 愛した日々 愛した日々が 涙に形を変えて溶けてくよ 二人でよく行くコンビニの 二人でよく分け合った アイスキャンディーは あの頃の僕の感情とは裏腹 甘すぎて 全部食べられず君にあげた カレンダーに書いた日 君との大事な一日を 見つめながら 足りない埋めたい穴ぼこを 指先で確かめてる アイスキャンディー アイスキャンディーは ぱっきんと2つに割れることなく 溶けてく 愛すべきは 愛すべき人は 他の誰でもない君だけだった あの日の君が あの頃の君が 瞼に浮かんではしゅわっと 消えてくよ 解けた指 離れた唇 もうあの頃に戻れやしないんだな アイスキャンディー アイスキャンディーが 溶けてなくなる頃には君のこと 愛した日々 愛した日々が 全部全部涙に 変わってしまえばいいのに だとしてもきっと アスファルトに現れた 涙の水溜りに映る僕を見て 「あぁこんなにも あぁこんなにも君が 好きだったんだ」と気づくんだ そうしてまた僕は君に溶けてゆく