この世界は少し煩すぎるから カーテンを全部閉め切ったよ 結露した窓を擦って覗くように 恐る恐る世界を窺ってた 忙しい日々がやがて土砂となり それに憧れは埋没して 気付いた時には もうすでに手遅れで 息もできぬまま数年が経ってた 諦めの萌え木 レジスターの奴隷 心が腐らないように 冷凍する必要があった 弁当をレンジで温めながら 心溶かしてくれ 心溶かしてくれ 表情すら隠す癖に 分かってほしいだなんて 後ろめたくて当たり前 夜勤明け光る朝焼け こんな一日の終わりに不釣り合い まだ何も成してない 僕の今日を照らさないで 頭ん中が少し煩すぎるから 喜怒哀楽を全部殺したよ うざい客の怒鳴り声も遠く響く その分ビールの本数も増えたけれど 飲み屋で同級生の自慢話には 相槌打って愛想よく くだらねえと唾を吐く心の声に 一番くだらないのは僕だと青ざめる 昔描いてた 将来や夢は 最低賃金で売り払った こっから歩む一歩の価値も たかが知れてる どうせ底値なら 心躍る方へ せめて望む方へ 言いたい事言わぬ癖に 分かってほしいだなんて 無視されたって当たり前 東京に取り残されて 僕が居なくたって回ってく世界 まだどこにも行けない 僕の今日を無視しないで 僕は今日もマスクをして家を出る 口煩い東京から身を隠す為 言えない事を 言わなかった事にする為 やれない事を やらなかった事にする為 そしたら僕の声も失くしてた 自分にさえ本音隠すようになってた 本当は飛び出したい癖に 僕なんかじゃ無理だなんて 「そんなことはないよ」だって 誰も言ってくれるわけねえ そんな一日を幾つ殺して 僕は今最低に立ってる 僕の始まりには似合ってる 居ても立っても居られずに 家とは逆の方向へ 後ろめたささえ晴々 同じようで違う朝焼け 理想叶える為犠牲になってくれ 最低な幕開け この始まりを照らしてくれ