彼はザマ市の難民キャンプで夢から 醒めた 眠気覚ましの雨で淹れたコーヒー 夕べはドライフードをかっぱらい 逃げて 今日は暮れるまで鉄クズ拾い 汚し尽くされた空っぽの海で散歩 酸性の風が吹き荒れる山脈を登って 灰色の砂漠に目を凝らし 「空の木」だの「夢の国」 だの眺める ここじゃ紙の地図がバイブル およそ神のあずかり知らぬ土地 給水所に成り下がった かつて都市だった場所 恐れ入るほどしぶといぜ ビジネスネバーダイ 完全栄養食のゼラチン流し込んで 頭に埋め込む タイプのインターフェイス 似合ってる 歴史学者たちが見つけた白骨死体 ヘッドギアと絡まるコード 他には何も無い 棺桶の中に生まれ育ち 幸せな顔で滅びた種族 ここは、見捨てられた文明 一昨日、ミスッて何もかもが消えた