好きと云はれりや誰にでも からだをひらくをんなだと 世間(ひと)がわちきを 嘲笑(わら)ふのを 知らぬわけではありんせん だけどこの命 一思ひに投げ出した相手は 唯(たつた)一人だけ 噫こんな奥底を 突き止めて置きながら 知らぬ存ぜぬぢや 余り然(そ)で無いわいな 月に叢雲(むらくも)花に風 酔わせておくんなんし 惚れて候 <♪> 好いたお人にや何処までも 莫迦(ばか)になる様なをんなだと 世間(ひと)がわちきを 嘲笑(わら)へども 自棄(やけ)や勢(はず)みぢや ありんせん だからこの心 破いて千切れる迄(まで)抱いてよ 唯(たつた)一度だけ 噫こんな痛みなんぞ 明日の望みなんぞ 見えぬ聞こえぬ 本当も嘘も無いわいな 指切拳万針千本 呑ませておくんなんし 暗(く)れて候 <♪> 無無(なけな)しの命の証を 点(とぼ)しておくんなんし 判るざんせう