昔から何かをしようとすると 決まっていつでも水を差される 何気ない風景に紛れて一人 雨が降る駅で旅立ちを待っていた 笑っている人 急いでいる人 寄り添うカップル 無邪気にはしゃぐ子供たち それぞれ荷物を抱え目指している 場所へと向かっていく 今日もまた スカーレットの電車はホームに 着きいくつもの人生を乗せて運ぶ カバンに詰めた希望と期待、 それに不安を少し隠し持って しばらく帰らないって誓ったんだ 窓を伝う無数の雫が枝分かれして 過去へ流れていく これから僕が進もうとしている道は どれほど長くて どこに辿り着くんだろう 人は皆幻想を語り叶わぬ夢と 置き去りにするけれど 僕は抱きしめていこう 馬鹿げた衝動が未来を照らすと 信じながら 小さな頃クレヨンで描いていた 果てしなく空想のような世界も 今の僕を形成(つく)り上げている 大事な一欠片だって そう自信を持って言えるよ "可能性"っていうものは ずっと無限だとは思わない 駆け出すそのスピードに 広がるイメージを そしてまたスピードを 上げていく スカーレットの電車は僕を運ぶ ためらわずまだ知らない場所へと 雨の止んだ生まれた街に そっと「さよなら」つぶやいて 次第に遠ざかって見えなくなった 東京は今頃青空が 広がっているだろう