くたびれたコートじゃ 凌げなくなる季節 喫煙者はみんな迫害されて 煙の無い玩具を路地裏で咥える 帰りたいほど 居心地のいい場所も 一つくらいあったが忘れた 嘘みたいだろ 女の家に転がり込むのも 飽きたみたいだ すれ違う人と見捨てた親と ゆきずりの君のそれぞれのドラマ 絡み合う欲とのさばる夢と 色褪せた街をクズ入れに投げた 嘆くほどの人生か 揺れる徒花を踏みつけ いつの間にかどうやら 甥が出来たらしい 命のしがらみはしぶとく続く 根無し草の美学 言い訳は得意さ 借りたままの古い漫画と金は 戻るべき主を亡くした 信じないだろ 一人前に悩みや自負が 無いわけでも無い 追いかけた人と昔のダチと 寄りかかる君の見せかけのドラマ 痩せ細るガキと着飾る犬と 生まれない明日のあるまじきカルマ 何もしない人生か 空を灰色と決めつけ 愛は懲り懲りだ 少し西へ行こうか 旨い酒が飲めるさ 立ちすくむ人と転がる石と 生き急ぐ君のそれぞれの軌跡 気休めの唄と潰えた意地と 色の無い痣を思い出に変えた 誰のための人生だ ひとり長雨に打たれて 背は遠く