濁る風が 冷たくなって まるで澄んだ振りをするから 僕の声が 雑音(おと)に混ざって 街の中へ 消えてしまうから ビルの影が 遠く伸びて 背伸びをする 自分みたいだ 窓に映る 雲の隙間の 色に僕は 立ち尽くしたまま ただ小さなこの世界へ 僕が僕である証明を 今は空白の向こうへ まだ僕の声が 届く様に 通り過ぎる 肩越しに見た 人の波を 掻き分けている 目的地も まだ曖昧な 記憶の中 辿っている この夢と希望と欲望の全てを 大事に抱えたまま その終着点をまだ探している 僕はここにいるのに 濁る風が 冷たくなって まるで澄んだ振りをするから この視界が弱く滲んだ どうか僕の名前を呼んで ただ小さなこの世界へ 僕が僕である証明を 今は空白の向こうへ まだ僕の声が届く様に