あの頃アタシもカナコも 夢だけが大きすぎて はやりのカフェにもぐりこんで レモネードだけでがんばってた あの頃カナコの口癖 フツーだけはやめようねだった カーテンで作ったスカートと 腕いっぱいブレスレットで出かけた タダの定期券だけが 会社勤めのいいとこだよと 飲むたびカナコはいつも言ってたね アタシはバンドに夢中で プータローでお金がなくて おごってもらったお返しは いつでも踏み倒してばっかり あの頃アタシもカナコも お互い彼氏のことは 自分のよりダメな男だと 決めつけて知らん顔で笑ってた 会社を辞めて一人で TOKYOにカナコは暮らし アタシはカセットテープに歌いかけてた 青春なんてやめてよ そんなコトバ 女はふりかえることキライな生き物だから あれからカフェもつぶれて ふたりの娘は母になってなお お互いにこりず お話はまだ終わりじゃない