「さかなになったぼくらの あしあとはもうふえないね」 そう言って泳ぐ参道 常夜燈ゆらゆら揺れてる 僕たちを見下ろした 空の色忘れてさ 鰓で息するの 魚になった僕らは 繋ぐ「手」なんて失った 今日だって泳ぐ参道 胸びれひらひらさせてる 遠くない昔のこと 涙雨溢れてさ 鰓で息するの アンダーグラウンド 例えばこの鳥居の向こうに アンダーグラウンド 或いはこの本の中 ここはアンダーグラウンド 百合の花の薫る場所 だけどアンダーグラウンド まだ光の色を知らないのさ 魚になった僕らを 透明な色が包んだ 僕たちを滅ぼした 空を飛ぶ鳥たちも 鰓で息するの アンダーグラウンド 例えばこの鳥居の向こうに アンダーグラウンド 或いはこの本の中 ここはアンダーグラウンド 短いようで永いような時を いつかアンダーグラウンド 許す日まで続く参道さ アンダーグラウンドの僕たちは まだ半透明なのさ許してよね 嫌いになりそうな世界のこと 僕は今愛そうとした アンダーグラウンド 例えばこの鳥居の向こうに アンダーグラウンド そう遠くない昔の話さ 「あしあとはもうふえないね」 そう言って小さく笑った