正門裏の歌詞の木の陰 光っていたのは インクの枯れた もうかけないサインペン あめ色のキャップ ネクタイピン代わりにして 得意気に 誰かの記念撮影に写りこむ いくつもの色 散りばめて重ねた黒と紺のクレヨン 削って描き出す ペン先の記憶 大げさなことなんて あんまり得意じゃないと言ってた 昔の君を 何となく思い出してさ 街頭の下で ゆらりゆらゆらゆれていたのは ヘリウムガス半分抜けた 飛べない風船 糸先結んだ 小さな白い紙っ切れは 色褪せて 破れて川面に散った 南風吹く対岸 橋げたの向こう 最後の思いはねえ どこへ向かえばいいの あて先不明で帰ってきた ダイレクトメールみたいに 辿った道のり 巻き戻せたらいいのに 向かいのホームで 一人置いてきぼりを食らって 終電逃して ぼんやり立ち尽くすいつかの君 行き場なくした ベンチの上ボストンバックが すかさず 僕を見つけてこまねいてる気がした 欲しかったものは 簡単に手に入れられたんだろう だって短いカーリィヘアに もう面影なんて無いしね