白紙の上に水滴で明日を描いていく 乾けばまた 眠ればまた 一から何を描こうか 何時間でも 何度でも 話をしよう そう君のこと ボクのこと それからふたりのこと 笑った君も 怒った君も ボクだけのポケットにしまって 溢れちゃいそうな 落としてなくしてしまいそうな ボクにつぶやいた 君はつぶやいた 「はじめまして。」 どうしようもないほどに 未来はスピードを変え 逆さになって動いた 君ひとりを連れ去るように 喧嘩して泣いた10年前 好き合った3年前 底ぬけたバケツに 満たしていたみたいに 夢 御伽噺のエンディング手前 映画 ドラマのワンシーン さよならより遠い朝に あの日の笑顔と同じで 君はつぶやいた 「ところで、君の名前は 何て言うんだっけ?」 あの日のままの海岸へ 二人で行こう 君の好きな星座の下 朝まで手を繋ごう 海に映写した星空が全部 波間は流れ星みたいに 幸せだよって 初めて見たって笑って そしてつぶやいた 「ところで君は誰なの?」 ボクの名前 初めて撮ったシャッターの前 ふたり出会った記念日 何ひとつ覚えていなくても その度に何千回も 何百万回も 君に伝えるんだ ねえ愛している 愛している たとえ この指先じゃ何も 繋ぎとめられなくて 途方もない夜に拒まれても ありがとうなんて笑って 君はつぶやいた 「ところで、君の名前は 何て言うんだっけ?」 神様 奇跡は起こらないんだなあ 静けさをまた包み込むように 窓に射し込む光 君に寄り添って 奇跡を願って 一人ぼっちの朝に泣いた それでもいいんだ そんなの理由は単純さ 君が好きなんだ 君が好きなんだ 「それだけだ」 どうしようもないほどに 未来はスピードを変え 逆さになって動いた 君ひとりを連れ去るように 喧嘩して泣いた10年前 好き合った3年前 純白のドレスが洗い流して 夢 御伽噺のエンディング手前 映画 ドラマのワンシーン さよならより遠い朝に あの日の笑顔と同じで 君はつぶやいた 「ところで、君の名前は 何て言うんだっけ? …今日も話をしよう?」