彼女ならあの岩場で ぼくをにらんでた 焼けつくような真夏の避暑地 うそのようなその静けさ 誰にも犯せない 混みあう車も ここまでは来れない うわべじゃ乾いた心を 誰もが明るく喋っている 空き缶で指を切ったと 泣きじゃくる女の くちびるをふさげ ここだけが避暑地 つかんだら離したくない 離すひまもない テントの錆びくいに 夜風がうねる 魚のようなくちづけ 木陰にころがす 今夏さいしよの月 きみならあの日はこう言った きみのからだあてにして ぼくだけがくずれてた 本気で誰かを愛したい 死ぬほど誰かを愛せない 心じゃからだを拒んでた ふたのとれた冷蔵庫 捨てられてた砂地に 油と西日が目にしみた避暑地 どこからかドラムの 音が耳にこだまする 無理に日焼けだけした 若者が走る 魚のようなくちづけ 本陰にころがす 今夏さいしょの月 きみならあの日はこう言った きみのからだあてにして ぼくだけが遊んでた 誰もがうつろに交わしてる 誰もがひとりを恐れてる ことばじゃ気持ちはさがせない 朝刊まえのくちづけ 軒からさし込む 今夏さいしょの朝 きみならあの日はこう言った きみのからだあてにして ぼくだけがくずれてた 本気で誰かを愛したい 死ぬほど誰かを愛せない 心じゃからだを拒んでた きみならあの日はこう言った きみのからだあてにして ぽくだけが遊んでた 誰もがうつろに交わしてる 誰もがひとりを恐れてる ことばじゃ気持ちはさがせない