この夏が明けぬまま潰えるような 幼くて脆いわたしたちも きっとほどけて ばらばらになるのだろう 安定剤で圧縮された この感覚と引き換えに あの日見た額縁のない絵を 思い出した 祝祭にもきっと 意味などないとわらって 諦観で生まれた毎日を きみがやめた日 祈りや呪いに出口がないこと 痛いのはぜんぶ飛んでかないこと この国がいつか滅びてしまうように 忘れていくのかな 扉が開けぬまま潰えるような 悲鳴の響かないこの部屋にも 音楽があって 人生があった 安定剤で圧縮された心臓の淵で 解凍を待っている 解凍を待っている 祈りや呪いに出口がないこと 痛いのはぜんぶ飛んでかないこと この国がいつか滅びてしまうように 忘れていくのかな 祈りや呪いに出口はなくとも 息を吸うことをやめられないのだ 風化してゆくあの夏の前で 私ずっと、忘れないから 忘れないから