昔… いや、 ロング・ロング・アゴー 彼は 黒い肌をもって 生まれたので 白い目でもって 見られながらに育ち 笑い者のまんま 死んだという 名前がないので 人は彼を想う時 悲しい男、と呼ぶ 人は彼を見て 笑うだけで つまり 彼には話相手がいないので 花に 話しかけてみたものの 人に笑われて 終わりなので 彼は知らない 「悲しい」という事を 悲しい男 笑う あぁ 悲しい男 またひとりぼっち ひとりごち そして笑う あぁ 悲しい男 ただ 夜をそっと 泣いてみる そして 笑う 例えば 花が枯れそうな時 例えば 恋が叶わぬ時 彼は 涙をこらえ 笑う 人はまた それを見て 笑う 生きてれば ずっと 辛い事、知っている 悲しい男 笑う あぁ 悲しい男 またひとりぼっち ひとりごち そして笑う あぁ 悲しい男 ただ 夜をそっと 泣いてみる そして 笑う 彼はそして やっぱり笑いながら アーリー・イン・ザ・モーニング 死んだ